Vol.61 超遠心機用スウィングロータの仕組みと取扱い留意点

Doctor - Dr. Beckman Column皆様 こんにちは

前回の「Vol. 60 超遠心機用スウィングロータの正しい持ち方・セットの仕方」にて、スウィングロータの持ち方などを紹介ました。
そこで、今回はスウィングロータの仕組みから始まり、取扱い留意点を説明します。

 

【スウィングロータの仕組み】

遠心前は図1の状態で、ハンガー部(図2または図3)でバケットを支えています。

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図1 遠心前

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図2 ハンガー部


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図3 ハンガー部

 



遠心時は図4のように、傘のように開き水平方向になります。
この時、バケットはハンガー部で支えているわけではありません。
図5の赤丸で示した箇所で、強い遠心力を支えています。このため、バケットはまっすぐな筒状ではなく、引っかかりがついています。



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図4 遠心時(側面)



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図5 遠心時(底面)



ハンガー部は、遠心時に遠心力を支えていませんが、遠心を開始する際に適正な位置にバケットをガイドする重要な役割を持っています。
バケットのミスフックがあると遠心時バケットが水平にならず(図6)、遠心力をハンガー部で支えることになり、バランスを崩し事故に直結します。
このため、ミスフックには最大限の注意が必要です。
ミスフックしたバケットは少し斜めになるため、注意深く観察することで簡単に気が付くことができます(図7)。



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図6 ミスフックした場合の遠心時のバケット



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図7 ミスフックした場合の遠心前のバケット

【スウィングロータの取扱い留意点】

スウィングロータの事故のうち、ミスフックに次いで、バケットをガイドするハンガー部の摩耗による事故が多く起こっています。


事故を防ぐために、遠心処理をする前に以下を必ず確認してください。


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Vol 60, 61と2回にわたって、スウィングロータの取り扱いについて説明させていただきました。
水平ロータとも呼ばれているスウィングロータは一見取り扱いが難しい様にも思われますが、ポイントさえ抑えれば問題なく扱うことができます。